やけど
やけど(熱傷)は、皮膚や組織が熱、化学物質、電気、放射線などにさらされて損傷する状態です。
やけどの分類と治療法は、損傷の深さや広さに基づいて異なります。
広範囲や深い熱傷は早急に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが必要ですので、必要な場合は基幹病院へ早急に紹介させていただきます。
分類
やけどは損傷の深さによって3段階に分類されます。
表皮熱傷(1度熱傷)
皮膚の最も外側の層(表皮)にのみ損傷が及んだ軽度のやけどです。
日焼けや軽い熱傷がこれに該当します。水脹れは伴いません。
症状
赤み、軽度の痛み、乾燥感。
治癒期間
数日から1週間以内に自然に治癒します。
真皮熱傷(2度熱傷)
皮膚の深い層である真皮まで損傷が及んだやけどです。
症状
強い赤み、水ぶくれ、激しい痛み
治癒期間
軽度の場合は約2~3週間で治癒しますが、重度の場合は治癒に1ヶ月以上かかることもあり、痕が残ることがあります。
全層熱傷(3度熱傷)
皮膚の全層が損傷し、時には皮膚の下の脂肪や筋肉、骨まで損傷が及ぶ重度のやけどです。
症状
神経が損傷しているため痛みが感じられないことが多いです。
皮膚が白く、黒焦げ、または茶色くなる。
治癒期間
自然治癒は難しく、通常は皮膚移植などの外科的治療が必要です。
瘢痕が残ることが一般的です。
治療
治療はやけどの深さと範囲に基づいて異なります。
2度熱傷以上は医師の診察を受け、場合によっては専門的な治療が必要です。
表皮熱傷(1度熱傷)の治療法
冷却
やけどした部位をすぐに冷水で冷やすことで、損傷を軽減し、痛みを和らげます(約15?20分)。
保湿剤の使用
保湿クリームで皮膚を保湿し、乾燥を防ぎます。
鎮痛薬
痛みがある場合は、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販の鎮痛薬を使用します。
日焼け止めの使用
やけど部位を保護するため、外出時は日焼け止めを使用します。
真皮熱傷(2度熱傷)の治療法
冷却
1度熱傷と同様に、やけどした部位を冷水で冷やします。
水ぶくれの保護
水ぶくれは無理に破らないようにし、感染のリスクを減らすため、清潔なガーゼで覆います。
軟膏の使用
抗生物質軟膏や保湿剤を使用し、感染予防と皮膚の再生を促します。
保護
創部を清潔に保ち、包帯などで保護し感染を防ぎます。
鎮痛薬
痛みを和らげるため、鎮痛薬を使用します。
全層熱傷(3度熱傷)の治療法
3度熱傷は命に関わることがあり緊急治療が必要なため基幹病院へすぐに紹介させていただきます。