にきび
ニキビは病名を尋常性ざ瘡と言い、皮膚科の受診が必要な病気です。
ニキビは90%以上の人が経験する身近な病気です。今までは軽症の場合はスキンケアだけで対応し、症状がひどくなったら病院を受診するのが一般的でしたが、最近は治療法が進化しており、早期の症状から病院で治療できるようになりました。
ニキビの重症度や原因に応じた治療が必要で、炎症がひどいと痕が残ることもありますので、早期の治療が重要です。
名古屋市南区・瑞穂区でにきびでお悩みの方は新瑞橋駅徒歩5分の皮膚科・美容皮膚科クリニックのあらたまばし皮フ科ビューティークリニックまでお気軽にご相談ください。
原因
ニキビは、皮脂の過剰分泌から始まり、毛穴の詰まり、細菌感染、炎症が起こることで発生します。
1. 皮脂の過剰分泌
思春期やホルモンバランスの変動により、皮脂腺が活発化して皮脂の分泌が増加します。特に男性ホルモンであるアンドロゲンの影響で皮脂腺が刺激され、過剰な皮脂が分泌されます。
2. 毛穴の詰まり
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴が詰まりやすくなります。角化異常と呼ばれる皮膚細胞の異常な増殖により、毛穴が狭くなり、皮脂が外に排出されにくくなります。この状態は『角栓角栓(コメド)』と呼ばれ、ニキビの初期段階です。
3. アクネ菌の増殖
毛穴が詰まり、皮脂が溜まることで、毛穴の中にいるアクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖します。アクネ菌は通常の皮膚の常在菌(誰でも持っている菌)ですが、皮脂の過剰分泌や毛穴の閉塞によって数が増え、炎症を引き起こします。
4. 炎症反応
アクネ菌が増殖すると、免疫により炎症が発生し、赤く腫れたニキビや膿を伴うニキビが形成されます。進行すると、毛穴周辺の組織が破壊され、瘢痕(ニキビ跡)が残ることがあります。
分類
ニキビは、主に『非炎症性ニキビ』と『炎症性ニキビ』に分類されます。
1. 非炎症性ニキビ
①白ニキビ(閉鎖コメド)
皮膚表面には見えないが、毛穴が皮脂や角質で詰まっている状態。
②黒ニキビ(開放コメド)
毛穴が部分的に開き、皮脂が酸化して黒く見えている状態。
2. 炎症性ニキビ
①赤ニキビ(丘疹)
アクネ菌の増殖により炎症が起こり、赤く腫れたニキビ。
②膿ニキビ(膿疱)
炎症がさらに進行し、内部に膿がたまった状態。
③硬結性ニキビ
皮膚の奥深くにできる大きなニキビで、硬く痛みが伴うことが多い。
④嚢胞性ニキビ
炎症が深部に及び、膿や液体が詰まった大きな嚢胞が形成されている。
治療
ニキビの治療は、原因に応じたアプローチが重要で、皮膚の状態やニキビの分類によって異なります
1. 外用薬
①レチノイド外用(アダパレンやトレチノイン)
角質の異常な増殖を抑えて毛穴の詰まりを解消する作用があります。毛穴の閉塞を防ぎ、角栓形成を抑制します。白ニキビや黒ニキビなどの非炎症ニキビに対して有効です。
②過酸化ベンゾイル(BPO)
アクネ菌を殺菌して炎症を抑える効果があります。赤ニキビや膿ニキビに対して有効であり、同時に毛穴の詰まりを改善する効果もあります。
③抗菌薬の外用
アクネ菌の増殖を抑えるためクリンダマイシンやナジフロキサシンの抗菌薬の外用薬を使用します。ただし、長期間の使用は抗菌薬に対する耐性菌のリスクがあるため、過酸化ベンゾイルと併用していきます。
2.内服薬治療
①抗菌薬の内服
炎症性ニキビに対しては、アクネ菌の増殖を抑えるためミノサイクリンやドキシサイクリンなどのテトラサイクリン系の抗菌薬を処方します。
②ホルモン療法
女性の場合、ホルモンバランスの影響でニキビが悪化することがあります。低用量ピルや抗アンドロゲン作用のあるスピロノラクトンを使用することでホルモンバランスを整えます。
3.その他の治療法
①ケミカルピーリング
サリチル酸やグリコール酸などを使用して皮膚の角質を剥がれやすくさせ、毛穴の詰まりを改善します。非炎症性ニキビや軽度の炎症性ニキビに有効です。
②光線療法・レーザー治療
アクネ菌の増殖を抑え、炎症を軽減します。レーザー治療は皮脂腺の活性を抑える効果があります。
③イソトレチノイン(内服レチノイド)
重度のニキビ、繰り返すニキビに対しては、イソトレチノインの内服をおすすめすることがあります。イソトレチノインは皮脂の分泌を抑制し、ニキビができにくい肌にする効果があります。副作用のリスクも考慮して、血液検査も行いながら処方します。
4.生活習慣の改善
①適切な洗顔
朝晩の適度な洗顔が推奨されます。洗顔のしすぎは皮脂の過剰分泌を引き起こすため、洗顔料は低刺激のものを選び、ぬるま湯で優しく洗うことが重要です。
②食生活の改善
高脂肪や高糖質の食事はニキビを悪化させるため、バランスの良い食事を心がけてください。特にビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを豊富に含む食品がおすすめです。
③ストレスの軽減
ストレスはホルモンバランスを乱すため、ストレス因子の軽減も大切です。