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白癬

白癬(はくせん)は、皮膚や爪、毛髪に真菌(カビ)が感染することで発生する皮膚疾患です。

原因

白癬の原因は皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビ)の一種が皮膚に感染することによって発生します。
この皮膚糸状菌は、湿気の多い環境で繁殖しやすいため、足や手、体、頭部などの汗をかきやすい部分に感染しやすいです。

白癬は感染部位に応じていくつかの種類に分類されます。

足白癬(足の白癬)

足に感染する白癬で、いわゆる「水虫」と呼ばれるものです。
湿気の多い靴や靴下を長時間履くことで感染が促進されます。

爪白癬

爪に感染する白癬で、爪が厚くなったり変色したりすることが特徴です。
爪の内部まで真菌が感染するため、治療が長期化することがあります。

体部白癬

体の他の部位(腕、胸、背中、腹部など)に感染する白癬です。
環境や接触感染が原因で広がることがあります。

股部白癬(インキンタムシ)

鼠蹊部(そけいぶ)や大腿内側に感染する白癬です。
下着や衣類の摩擦、湿気が関与します。

頭部白癬

頭皮に感染する白癬で、子供に多く見られます。動物(犬や猫など)からの感染も考えられます。

治療

白癬の治療は感染部位や重症度に応じて異なります。
に基づく治療法は以下の通りです。

外用薬(塗り薬)

外用薬は、軽度の白癬や局所的な感染の白癬に対して使用します。
外用薬は感染部位よりも必ず広範囲に塗布し、毎日1~2回使用してください。
感染部位の種類にもよりますが、最低でも2~4週間程度は使用が必要なので根気強く塗ることが重要です。

アゾール系抗真菌薬

エコナゾール、ミコナゾールなどがあります。
広範囲の真菌に効果があり、白癬治療に広く使用されています。

アリルアミン系抗真菌薬

テルビナフィンが代表的です。
皮膚糸状菌に対して非常に高い効果があります。
足白癬や体部白癬に対してよく使用します。

内服薬(飲み薬)

爪白癬や重度の足白癬、広範囲にわたる体部白癬など、外用薬では治療が不十分な場合や再発しやすいケースでは、内服薬を併用します。

テルビナフィン(アリルアミン系)

爪白癬や頑固な足白癬に対して非常に効果的です。
爪白癬の場合は1日1回、12週間にわたり服用します。

イトラコナゾール(トリアゾール系)

広範囲の白癬や爪白癬に対して有効で、パルス療法(一定期間薬を服用し、その後休薬期間を設ける方法)で使用されることが多いです。
イトラコナゾールのパルス療法では、1週間の服用後、3週間休薬するというサイクルを繰り返します。

グリセオフルビン

主に頭部白癬に対して使用される抗真菌薬で、特に子供に多く使われます。
治療期間は数週間から数ヶ月に及ぶことがあります。

予防と再発防止

湿潤環境の改善

湿気がこもりやすい環境は真菌の増殖を促進するため、靴や靴下は通気性の良いものを選び、頻繁に取り換えることが重要です。
足を乾燥させ、入浴後は十分に乾かすことも予防に繋がります。

家族や同居者への注意

白癬は接触を介して他の人に感染することがあるため、タオルや靴下を共有しないようにし、家族間での感染予防が必要です。

動物との接触

頭部白癬の原因の一つである動物(特に犬や猫)との接触を避けることが、子供への感染予防として重要です。

参考:「皮膚真菌症診療ガイドライン2019」

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